よりよい時代劇への願いがこもった本
内容は、主に、テレビの時代劇の考証の間違いあれこれ。 知識がある身にとっては耐えられない間違いが多いようだ。知らなければ何とも思わず見てしまうのだろうが。 著者の考えは「あとがき」にはっきり記されている。「時代劇は、チョン髷を頭にのせ、刀を腰に帯びた現代劇であってはならぬ。」 「昔の姿に近づけば近づくほど、おもしろくなっていくものなのである。時代考証を正しくやればドラマがおもしろくなくなるというのは、物を知らぬ人の言い逃れに過ぎない。」 もちろん著者は何もかもその時代の通りにやれと言っているわけではない。正直に、文化文政以前のことはよくわからないといっているし、自分の失敗談も語っている。 最も印象に残ったのは、忠臣蔵に関するところ。 「発端から終局まで実録とは大違いなのである。」(p51)と、巷間語られる忠臣蔵は実像とはほど遠いといいながらも、「忠臣蔵は、日本人の誇る日本人好みの名戯曲なのであるから、時代考証を介入させるべきではない……とわたしは思うのだ」(p52)と語る。 あくまでも、よりよい時代劇、より面白い時代劇を作りたい、という願いによって書かれた本であることが分かる。 ただし、タイトルはよくない。「間違いだらけの車選び」をもじったものだろうが、こういうタイトルでは、ちょっと志が低く見られてしまうだろう。
河出書房新社
続 間違いだらけの時代劇 (河出文庫) 絵で見て納得!時代劇のウソ・ホント (遊子館歴史選書) 敗者から見た関ヶ原合戦 (新書y) 時代小説用語辞典 お江戸の武士の意外な生活事情―衣食住から趣味・仕事まで (PHP文庫)
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